意思決定型組織の可能性(1)
正月休みに二日休みを加えて行った欧州旅行から無事に帰ってきました。旅行記は気が向いたら書くかもしれませんが、正直あまり面白いところはまわってません。
旅行中、飛行機の移動時間など暇つぶし用にドラッカーのマネジメント(エッセンシャル版)をもっていきました。この本は1974に出版されたマネジメントという大著の抄訳版ですが、ビジネスの原則を丁寧に書いてあり、折に触れて読み返すようにしている本です。
- 作者: ピーター・F・ドラッカー,上田惇生
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2001/12/14
- メディア: 単行本
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一つはソニーの現状についてです
少し引用してみましょう。
技術系の人は、「うまくいかなくなりそうなものは、いずれうまくいかなくなる」というマーフィーの法則を口にする 。だが事態は複雑な場合には、さらに第二の法則、ドラッカーの法則と呼ぶべき物が働く。すなわち、「何かがうまくいかなくなると、すべてがうまくいかなくなる。しかも同時に」
ソニーはまさにこのドラッカーの法則に陥っているように見えます。
組織には、もはやマネジメントができなくなるという複雑さの限界がある。トップマネジメントが事業とその現実の姿、そこに働く人、経営環境、顧客、技術を自らの目で見、知り、理解することができなくなり、報告、数字、データなど抽象的なものに依存するようになったとき、組織は複雑になりすぎ、マネジメントできなくなったと考えてよい。
ソニーは複雑にそうなりすぎたのでしょうか?正直、私には判りませんが、トップマネジメントがうまく機能していないことは確かそうです。
トップマネジメントがドラッガーの法則に陥らずにうまく運営するためには何が必要でしょうか。ドラッガーはトップマネジメントの役割を本著の中でいくつか述べていますが、事業の役割を考えるということ、その派生として意思決定の役割を挙げています。
ソニーは全体にわたっての意思決定を書いているように見えます。ここは、ストリンガーさんの手腕に期待しましょう。
もう一つ気になったことは、組織の構造についてです。
ドラッガーは組織の構造として主立った物として五つ挙げ、それぞれを仕事中心に組み立てられたもの、成果中心に組み立てられたもの、関係中心に組み立てられたものに分類しています。この5つの組織構造のほか第6の組織の可能性として意思決定中心の組織を挙げています。
第六の組織構造が開発されるかもしれない。マネジメントには、仕事、成果、関係のほかに意思決定という側面がある。今日のところ、この意思決定中心の組織は開発されていない。可能性の域を出ない。だが、これが実用に供しうる形で開発されるならば、その影響はきわめて大きな物となる。
ふと、インターネット社会ではこの意思決定型組織が実現するのではないかという考えが頭をよぎりました。
もう少しいうと『はてな』が意思決定型組織の可能性を示しているのではないかという考えです。
少し長くなりましたし、考えがまとまらないので日を改め別のエントリーで深く掘り下げたいと思います。